ドレススタイリストのお仕事と魅力とは

ウエディングに関するお仕事はたくさんありますが、中でも「ドレススタイリスト」というお仕事は、花嫁をもっとも美しく演出するお仕事です。結婚式や披露宴に直接関わることは少ないですが、花嫁や花婿の「ありがとう」に近いお仕事かもしれません。

今回は、そんなブライダルスタイリストのお仕事について、お伝えしていきます。

ドレススタイリストの仕事について知りたい

ドレススタイリストの具体的な仕事内容について見ていきましょう。

花嫁を輝かせる大切な仕事

女性にとって結婚式とは、一生に一度の大切な晴れ舞台です。そんな結婚式で、純白のドレスを着てみたい!と、小さい頃から夢見ている方も多いのではないかと思います。

実際の結婚式では、和装・洋装と挙式のスタイルに合わせて衣装を選ぶことになりますが、そのお手伝いをするのがドレススタイリストの主な仕事です。まずはお客様とのカウンセリングでご希望を伺い、それに沿ったドレスをご提案していきます。

ドレスとひとことで言っても、その種類はデザインや色、素材までさまざまなものがあります。同じデザインでも、素材や色を変えるとまったく違うドレスになりますから、その数は無限と言っても良いかもしれません。

その数あるドレスの中から、花嫁は「自分が一番輝くことができるドレス」を選ぶのですから、やはり衣装のプロとしてのドレススタイリストからの専門的なアドバイスは欠かすことができません。

ドレススタイリストは、お客様のご希望に配慮しながら、お客様を一番引き立てることができるドレスを提案することが求められますが、提案するのはドレスなどの衣装だけでなく、衣装に合うブーケ、ヘアメイク、アクセサリーまで、きめ細かくトータル的にアドバイスしていきます。ですので、プロのスタイリストとして、衣装からフラワー、パーソナルカラーなど、ブライダルに関わる幅広い知識を身につけていることが必要です。

また、衣装などの提案以外にも、ドレスを美しく保つためのお手入れや、チェックなど商品管理の作業もドレススタリストにとって大切な仕事の一つです。さらに、ドレスはレンタルだけではなく、オーダーメイドで「作る」花嫁もいます。その場合は、「ドレスを自宅で長く保管する方法」について、お客様へ適確なアドバイスをすることになります。

以上の仕事内容から分かるように、花嫁が晴れの舞台で最も輝くことができるかどうかは、ドレススタイリストの腕にかかっているのですね。

 

衣装決定~手配まで

では、実際にドレスをアドバイスし、手配から当日までの流れをみていきましょう。

 

<カウンセリングからドレスの選定まで>

ドレスは、多くの場合、レンタル(貸衣装)となり、お客様はドレスショップを訪れます。基本的には「予約制」で、他のお客様とは重ならない、あるいはお客様ごとの担当者がしっかりと対応するようになっています。

最初にお客様とご挨拶をしたら、カウンセリングスタートです。お客様(多くの場合は、花嫁ご自身)に次のようなことを伺いながら、おおよそのドレスイメージを検討します。

  • ◆結婚式や披露宴の予定日
  • ◆挙式のスタイル
  • ◆結婚式や披露宴を行う会場
  • ◆レンタルをご希望か、購入(フルオーダー、セミオーダー)をご希望か
  • ◆普段の洋服のサイズ
  • ◆お色直しの有無や回数
  • ◆ドレスに対するご希望(色、デザインの方向性など)

多くの場合、上記7つのうち、6つ目までは、比較的すんなりとお話しが進みます。問題は7つ目、「ドレスに対するご希望」です。

最近は、インターネットや雑誌などで、ある程度の情報収集をされてからご来店頂く方が多いため、ある程度の「イメージ」はあるでしょう。「真っ白が良い」「フリルがたくさんあるのが良い」「シンプルなデザインでスタイルを強調したい」など、ご希望されるイメージは人それぞれです。まずは、お客様のイメージやご要望を伺い、それに近いものをご提案します。最初の1着がおおよそ決まれば、それに近いもの、少しデザインは違うがイメージは似ているものなどをご提案します。

しかし、お客様のイメージと、プロであるドレススタイリストの感性が違う場合、「お客様のイメージは伺いましたが、こちらのドレスもきっとお似合いになると思います」とさりげなく伝えながら、ドレススタイリストのオススメをご提案することもあります。

 

また、ドレスそのものに対するご希望が変わることもあります。最初はお客様がお色直しのドレスとして「薄いブルー」をご希望されても、例えば「濃い目のブルーと明る目のゴールドの2着にしたい」となるかもしれません。そこはやはり、お客様のご希望やイメージだけではなく、プロとしてのセンスで「お客様をもっとも美しくみせるドレス」を、ご提案していくことになります。

 

<初めての試着>

ある程度、ドレスが絞り込めたら、いよいよ試着です。しかし、ドレスは、必ずしも一人で着られるように出来ていないものもあります。ドレススタイリストは、試着(ドレスを着る)お手伝いもします。

また、予めお客様にはある程度「サイズ」を伺っておき、それに合うものを試着して頂きますが、必ずしもサイズがぴったりとは限りません。少しの補正が必要な場合がありますし、場合によっては補正下着などを使いながら、ぴったりする着こなしのお手伝いをします。

そして、忘れてはならないのが、写真。ドレスを試着に来るお客様は、ご自身でカメラを持参されることもありますが、持参されていない場合は、写真を撮ってお渡しすることもあります。ドレスの試着は、1着で済むとは限りません。複数のドレスを試着しながら、後で最終的にどれが良いかを、ご検討されることもあるからです。

また、補正が必要な場合は、どこをどれくらい補正するか、しっかりと記録しておきます。複数のドレスを試着した場合、ドレスごとに補正する箇所や内容が変わりますから、細かく記録しておく正確さが必要です。

 

<ブーケやアクセサリーの決定、見積>

ある程度、ドレスが絞り込めたら、「お見積り」を提示します。ドレスによって、レンタルの金額は変わりますし、保険料やクリーニング料を含めるかどうかも、お店やドレスによって違います。元々のお客様のご予算もありますし、必要事項が誰の目からも分かるよう、正確なお見積りを提示します。

また、ある程度ドレスが絞り込めたら、それに合わせたベールや、アクセサリーも絞り込めるでしょう。ドレスのイメージ、お客様のイメージに合わせ、こちらもいくつかのパターンをお客様へご提案します。お見積りの中には、これらも含めて提示すると、全体的なご予算との検討もできます。

 

<ドレスの決定からご予約、手配まで>

最初の試着日から数日~数週間後、ドレスを決定する日をご予約頂き、再度ご来店頂きます。その間、数回の「試着日」があることがあります。

さて、お客様がお気に入りのドレス1着(またはお色直し用含めて2着~3着)が決まったら、今度はドレスの予約から当日までの手配です。お客様には再度、結婚式や披露宴の日時と場所を確認し、確実にお届けできるように手配します。

 

ドレススタイリストになるには?

勉強しておくべきことは?

ドレススタイリストになるためには、必須とされる資格はありません。ただし、少なくともこれだけは勉強しておいた方が良い、というものはあります。

 

<ブライダルの知識を有する証明となる「ブライダルコーディネート技能検定」>

ブライダルコーディネート技能検定は、職業能力開発促進法 第47条第1項の規定に基づき、厚生労働省より2018年7月23日に指定試験機関として指定された公益社団法人日本ブライダル文化振興協会が実施する国家検定です。

 

ブライダルコーディネーターとは

ブライダルコーディネーターとは、お客様のニーズを汲み取り、挙式・披露宴に関する文化・慣習等の担い手としてそれらを考慮しつつ、各種分業の壁を越えて幅広い関係者をコーディネートし、お客様に合ったブライダルサービス・商品等を提供する総合エキスパートです。

ブライダルコーディネーターに必要とされる能力は以下のとおりです。

・お客様のニーズを汲み取る「コミュニケーション能力」。
・お客様に合ったブライダルサービス・商品等を創造・企画する「プランニング能力」。
・お客様にプランをわかりやすく提案・説明し、承諾を得る「プレゼンテーション能力」。
・お客様の結婚式・披露宴を円滑に運営する「オペレーション能力」。

 

<トータル的なカラーコーディネートができる「色彩検定」>

色彩検定とは、「色彩に関する知識や技術」が問われる検定試験です。

ここでいう知識とは、例えば色彩が心理面に及ぼす影響、色彩が持つ不思議な力、それによって変わる「色の見え方」などをさします。人には誰でも、パーソナルカラーがあり、似合う色や似あう色の組み合わせが変わります。色が持つ力や影響について学び、試験で確認をすることで、カラーコーディネートの技能が身につきます。

ドレスは「白」と思われるかもしれませんが、実は「白」にもいくつかの種類があります。遠目には同じ色に見えても、ドレスの素材となる「布」が変わると、光の加減で少し変わって見えることもあります。

また、同じドレスでも、ブーケ(ベール)の色や、アクセサリーの色を変えると、まったく違う印象になることもあります。こうした「色」の影響力は、ドレススタイリストには必須の知識といえるでしょう。

 

<ドレスと合わせたジュエリーが提案できる「ジュエリーコーディネーター検定」>

ジュエリーにはジュエリーの専門家(ジュエリーコーディネーター)がいますが、ドレスをコーディネートするときに必要な知識を習得できる検定試験です。3級、2級、1級と3つのランクがありますが、まずは3級を目指しましょう。3級で必要とされる知識や技能はは「ジュエリーの歴史、市場、素材、製造、商品、販売及びコーディネートに関する基礎知識」と、お客様に対してそれを説明し、接客や販売(ウエディングの場合はレンタル)ができる技能です。

ウエディングに対するドレススタイリストは、ドレスだけではなく、一緒に花嫁を引き立てるジュエリーもご提案します。お客様のイメージも重要ですが、「このドレスにはこのジュエリー」というセンスも必要です。また、例えば同じデザインのティアラだとしても、お客様の年代や雰囲気によって、違う宝石を選ぶ方が似合うことがあります。必ずしもダイヤモンドが良いわけではなく、場合によっては同じティアラで真珠にしたり、金属部分をゴールドではなくプラチナをご提案するなど、ジュエリーの知識は必要なスキルといえます。

 

向いている人はどんな人?

いろいろな考え方はあるかもしれませんが、やはり「誰かのキレイを演出するのが好きな人」です。目の前にいるお客様のことを真剣に考え、「その人の一番」を見抜くセンスを持った人といえるでしょう。

お客様の好きなもの、ご希望されるものが、必ずしもその本人をもっとも美しく引き立てるものとは限りません。ご本人が寒色系が好きでも、実際には肌の色や表情、お客様の持つ雰囲気から、実は暖色系の方がお客様ご自身をもっとも引き立てる色かもしれません。

あるいは、お客様がふわっとしたデザインのドレスをイメージされていても、実際にはシンプルなデザインでスタイルを強調する方が、お客様をより引き立てるドレスとなるかもしれません。

もちろん、お客様のご希望は大切なのですが、プロとしてのセンスを知って頂くことが必要なこともあるのです。その為に必要なのが「その人の一番」を見抜くセンスと、「誰かのキレイを応援する」という心ではないでしょうか。

 

ドレススタイリストの魅力、やりがいとは

「感動」と「ありがとう」にあふれた仕事  

ドレススタイリストの仕事は、お客様の結婚式や披露宴に立ち会うとは限りません。ドレスの手配が終われば、そのお客様とのつながりは終ってしまうこともあります。

しかし、一生に一度の晴れの舞台で、本当にキレイな花嫁を演出できれば、お客様の感動を引き出すことができます。ウエディングの衣装は、ドレスだけではありません。花婿の衣装、ご親族の衣装も、トータルでご提案することもあります。ドレスが中心ではありますが、花婿とのバランスも重要なのです。

トータルで感動できる結婚式、披露宴を演出できれば、それはお客様からの「ありがとう」につながるでしょう。これが、ドレススタイリストのやりがいといえるのではないでしょうか。

 

キレイな衣装に囲まれて

それからもう一つ、ドレススタイリストに向いている人としては「キレイなものが好き」という要素もあります。ドレス自体はお客様のためにあるものですが、やはり、毎日キレイなドレスや衣装に囲まれているお仕事は、好きな人にとっては、これ以上無いほど居心地の良い職場ではないでしょうか。

さまざまなキレイな色、同じ白でもさまざまな表情を見せるドレス、豪華なレースやフリルに囲まれると、それだけでも幸せな気分になりますよね。

 

いかがでしょうか。

ドレススタイリストは、幸せにあふれた結婚式や披露宴を演出する、とても大事なお仕事です。京都ホテル観光ブライダル専門学校では、ドレススタイリストを目指す方へ、必要となる知識や技能を学んで頂く環境を整えています。今はまだ、ドレスのこと、カラーコーディネートのこと、ジュエリーのことが分からなくても大丈夫です。プロのドレススタイリストとして活躍中の講師陣が、あなたの夢を応援します。

京都ホテル観光ブライダル専門学校

>>ホテル学科

>>旅行学科

>>ブライダル学科

>>ホスピタリティビジネス学科

参考サイト

https://www.jhs.ac.jp/weddingplanner/works/dresscoordinator.php

http://www.narikata.com/bridal/wdc/howto/quality/

https://joboole.jp/articles/605869

https://joboole.jp/articles/890781

https://joboole.jp/articles/211606

https://joboole.jp/articles/872827


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