突然ですが、みなさんは「世界遺産検定」をご存知ですか?
今、世界遺産を巡るツアーは、旅行業界でも大人気!「ピラミッドを自分の目で見たい」、「ピサの斜塔の前で写真を撮りたい」など、世界遺産を訪ねる旅は、多くの人の心を動かします。
今回は、そんな世界遺産に詳しくなる「世界遺産検定」をご紹介したいと思います。
世界遺産検定は、世界遺産に対する知識や理解がどれだけできているかを確認するための検定です。各級が存在し、それにより理解レベルを証明することができます。4級からマイスターまで5段階に分かれており、それぞれのレベルで必要とされる知識レベルが違います。
4級は世界遺産の見方や世界の有名な遺産など、基礎的なことを知っているかどうかが試されます。日本と世界から50の世界遺産について出題されます。
3級になると地理や歴史の授業に登場するような有名な世界遺産の価値、世界遺産条約などに関する知識が問われます。また、出題数は60問に増えます。
2級は世界遺産条約、それに伴う関係機関について理解する必要があります。それに加え、各地域の世界遺産の多様性に関する問題も出題されます。出題数は3級と同様の60問です。
1級は専門職レベルです。世界の全遺産の「普遍的な価値」について問われます。出題される範囲は、すべての世界遺産からとなります。
そしてマイスターになると、「世界遺産に関する諸事情について自分の意見を持つ」というレベルであることが証明されます。マイスターまで行くと、「世界遺産の講師」ができるほどのプロとして認められたことになります。
このように、級ごとに理解すべき内容の幅広さや深さが変わっていきます。
まずは日本国内の世界遺産から学ぶことをはじめ、次に世界の代表的な世界遺産、さらに世界の各地にある世界遺産へと、勉強する範囲を拡げていくと良いでしょう。この検定は、ただ世界遺産の名称を覚えるだけではありません。その世界遺産ができた背景や、歴史を学ぶことも大切です。
また「世界遺産は有名だから」とか、「一度は見たいから」という理由で、たくさんの観光客が訪れるようにもなりました。多くの人が世界遺産を見ることは良いことなのですが、「観光地」として有名になっているところもあります。
その結果、世界遺産の近くにお店が出されたり、人が見やすくするように整備されることが進み、遺産そのものや周りの環境が、どんどんと破壊されていっていることも事実です。
世界遺産についてを学ぶということは、保護についても学ぶこと、世界遺産条約などについても理解を深めることが大切です。世界遺産そのものだけではなく、それが今どのように保たれていて、そして今どんな問題を抱えているのか、これらについても、共に学ぶことが必要です。
世界遺産検定は対策の問題集があり、テキストを通じて世界遺産について学ぶことができます。問題集は級ごとに別れており、社会人をしながら勉強することもできるので、学生のうちに学ぶ時間はたくさんありますね。
世界遺産検定に合格すれば、合格した級とともに身分を示すことができます。検定に合格出来るほどの実力があれば、世界遺産について解説しながら、ガイドブックには書いていない豆知識を伝えたり、別の世界遺産もご紹介できたら、お客様とのコミュニケーションもスムーズにとれるでしょう。
また、合格している級によっては、実際に世界遺産を巡るツアーでの「ツアーコンダクター」になることも夢ではありません。日本だけではなく、世界にも活躍できる舞台が広がります。世界遺産のプロになるだけで、自分の活躍フィールドを大きく広げることもできるのです。
ツアーコンダクターの役目はその時の旅を楽しませることも勿論ですが、「また旅行したいな」「次はここに行きたいな」と、旅行中のお客様に「次の旅行」を想像させる力も大切です。
世界遺産検定の合格を目指すことで、ツアーコンダクターとしての道が大きく開けるのではないでしょうか。
この記事を監修したのは
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京都ホテル観光ブライダル専門学校 旅行学科
経歴:旅行会社にてアウトセールス、添乗などの業務に5年間従事。ワタベウェディング㈱にてウエデイングプランナーとしてリゾートウエデイングの案内、手配など8年間勤務。
資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者、クルーズコンサルタント
担当授業:インバウンド・ツアー研究、インバウンド・ツアー実務、よくわかるニュース解説など