京都ホテル観光ブライダル専門学校(旧校名:キャリエールホテル旅行専門学校)

ホテル・マネジメント技能検定試験について知ろう!

 

ホテル業界の発展のために、2019年3月よりホテル・マネジメント技能検定が新設されることとなりました。この記事では、そんなホテル・マネジメント技能検定について、できる限りわかりやすく情報をまとめてご紹介します。

ホテル・マネジメント技能検定とは

ホテル・マネジメント技能検定とは、ホテルや旅館の管理者が持つ、マネジメント能力を計るための国家検定です。厚生労働省が2002年から定めている「職業能力評価基準」に基づき、知識や技術だけではなく、職務遂行能力を整理するもの。

本検定は1級から3級に分かれていて、1級は経営層向け、2級は次長・課長などの管理職向け、3級は係長・主任向けの内容です。つまりあらゆるステージにいるスタッフが、目指すべき検定であり、今後ホテル業界に関わる人材には、欠かせない検定となるのではないでしょうか。

現在、ホテル業界で働いている人だけではなく、これから業界で働きたいと志望している人にも、ぜひ取得を目指してほしい検定だといえるでしょう。

ホテル・マネジメント技能検定の試験概要

まずはホテル・マネジメント技能検定の試験の概要についてご紹介します。

  1. 受験資格
  2. 出題範囲
  3. 合格基準

についてくわしく解説します。

より詳細な内容については、ホテル業界検定スタートアップ支援協議会のウェブサイトで確認してみてください。

1.ホテル・マネジメント技能検定の受験資格

等級区分 受験資格
1 実技試験 1級の技能検定において学科試験に合格した者(※1)
学科試験 11年以上の実務経験(※2)を有する者
2級の技能検定に合格した者であって、6年以上の実務経験(※2)を有する者
3級の技能検定に合格した者であって、8年以上の実務経験(※2)を有する者
2 6年以上の実務経験(※2)を有する者
3級の技能検定に合格した者であって、5年以上の実務経験(※2)を有する者
3 ホテル又は旅館の業務に従事している者又は従事しようとする者

(※1)当該実技試験が行われる日が、学科試験に合格した日の翌日から起算して3年を経過する日の属する年度の末日以内である場合に限る。
(※2)実務経験とは、ホテル又は旅館において、宿泊、料飲、宴集会等のオペレーションの実施及び管理業務を携わった経験をいう。

2.試験科目と範囲

技能検定試験の合格に必要な技能及びこれに関する知識の程度としては「ホテル・マネジメント職種における上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度を基準とする」とあります。

1級の概要

①ホテルマネジメント・経営戦略・経営管理

  • ホテルマネジメント概論
  • 経営戦略
  • 経営管理

②財務会計・管理会計

  • 会計概論
  • 財務会計
  • 管理会計・予算管理

③サービス管理・顧客ロイヤリティ

  • サービス管理
  • 顧客ロイヤリティ

④業務運営管理

  • 業務運営管理
  • ファシリティマネジメント
  • リスク管理
  • 法務

⑤組織・人材マネジメント

  • 組織とマネジメント
  • 人材マネジメント
  • リーダーシップ

■実技試験

  • ホテルマネジメント

2級の概要

①ホテルマネジメント・経営戦略・経営管理

  • ホテルマネジメント概論
  • 経営戦略
  • 経営管理

②財務会計・管理会計

  • 会計概論
  • 財務会計
  • 管理会計・予算管理

③サービス管理・顧客ロイヤリティ

  • サービス管理
  • 顧客ロイヤリティ

④業務運営管理

  • 業務運営管理
  • リスク管理
  • 法務

⑤組織・人材マネジメント

  • 組織とマネジメント
  • 人的資源管理
  • リーダーシップ

■実技試験

  • ホテルマネジメント

3級の概要

①ホテルマネジメント・経営戦略・経営管理

  • ホテルマネジメント概論
  • 経営戦略
  • 経営管理

②財務会計・管理会計

  • 会計概論
  • 財務会計
  • 管理会計・予算管理

③サービス管理・顧客ロイヤリティ

  • サービス管理
  • 顧客ロイヤリティ

④業務運営管理

  • 業務運営管理
  • リスク管理
  • 法務

⑤組織・人材マネジメント

  • 組織とマネジメント
  • 人的資源管理
  • リーダーシップ

■実技試験

  • ホテルマネジメント

出題範囲の印象

このように3級であっても、出題範囲はかなり広いといえそうですね。すべてのレベルで、経営に直接関わる会計の問題や、組織マネジメントまでが出題範囲となっていることから、学習ボリュームはそれなりに多く、勉強時間も必要でしょう。

 

3.合格基準

学科・実技とも60%以上の正答で合格となります。

ホテル・マネジメント技能検定の難易度を予想

まだ受験自体が開催されていないため、正確な難易度について言及することはできませんが、出題範囲や合格率から、予測できる難易度を予想します。

1級の難易度

1級の受験者は、部門支配人や部長などの、上級管理職クラスを想定した試験となっています。受験資格も11年以上の実務経験があることか、2級を取得後6年以上の実務経験が必要であり、相当な難易度であることが予想できるでしょう。

会計から法務まで、包括的で高レベルな知識が求められるため、それなりの難関国家資格レベルの難易度になるのではないでしょうか。実務だけでは合格はむずかしいと予測でき、相応の学習と受験対策が求められるでしょう。

2級の難易度

2級の受験者は、次長や課長などの、管理職クラスを想定した試験です。

受験資格は、6年の実務経験がひとつの基準であることから、普通レベルの国家資格程度の難易度になるのではないでしょうか。出題範囲はかなり広く、合格のためには、マネージャークラスとして求められるレベルの高い知識が必要となりそうです。

1級よりはだいぶ取得しやすいことが予想できますが、それでもそれなりの学習時間と受験の対策が求められるでしょう。

3級の難易度

3級の受験者は、係長や主任など、現場のリーダークラスを想定した試験です。

受験資格は問われないことや、これからホテル業界を発展させることから、ある程度易しいを難易度であると考えられるのではないでしょうか。受験が終わってみないと、正確な難易度はわかりませんが、それでもしっかりと時間をかけて学習と対策をすることで、初学者でもじゅうぶん合格できると予想します。

ホテル・マネジメント技能検定が活かせる職業・仕事

ホテル・マネジメント技能検定が活かせる職種は、だれもが想像できる次の2つです。

  • ホテル
  • 旅館

場合によっては、この2つ以外にも役立つ職場はあると思いますが、基本的にはホテルと旅館でしょう。今後はホテル業界では、ホテルマネジメント技能検定を取得することで、業務遂行能力を評価されて活躍できる場所も増えるはずです。

またこの検定は、国家検定に数えられますから、民間資格よりもずっと評価できる検定だといえます。

なぜホテルや旅館で役立つの?

ホテル業界では、これまではどうしても経験や勘、感覚でマネジメントされる傾向がありました。

もちろんこれはホテル業界に限定されることではありませんが、業界をより高度に発展させるためには限界があります。収益や経費意識がなかったり、感覚値だけでお客さまの対応をしていたり、人的リソースもアバウトなままでは、かならずどこかで限界を迎えることに。

しかし、一人ひとりが、お金や顧客、リソースの管理の意識ができれば、もっと生産性を高めることができるでしょう。ホテル業界は、激務だといわる仕事の一つですが、一人ひとりの意識が変わればよりスムーズに現場が回るようになり、改善される可能性も高いのではないでしょうか。

ですから現場でお客さまを担当する現場で働く人から、マネージャークラスまで、正しいマネジメントの知識を身に付けることが急務です。その基準となるものが、ホテル・マネジメント技能検定というわけです。

ホテル・マネジメント技能検定の公式テキスト・参考書

現在のところ、ホテル・マネジメント技能検定の公式テキストや参考書は市販されていません。

そのためホテル業界検定スタートアップ支援協議会の公式サイトから、メールでの問い合わせが必要です。現時点では、個別に参考書を案内しているようです。時期が経てば、過去問集や独自のテキストなどが販売される可能性が高いです。

ホテル・マネジメント技能検定の勉強

ホテル・マネジメント技能検定の勉強については、前項にあるように、ホテル業界検定スタートアップ支援業議会が提供している参考書を利用します。

それ以外の勉強法としては、ホテルビジネス実務検定のテキストなどを利用する方法もありますが、そもそも出題範囲も異なる恐れがあることから、あまりおすすめできません。現状では公式の参考書を、繰返し何度も読み込むのが一番の勉強法です。

ホテル・マネジメント技能検定を取得するとどう役立つの?

ホテル・マネジメント技能検定に合格するためには「収益能力」「企画力」「課題解決力」「管理運営力」「専門知識」が、それぞれのレベルで求められます。これらの知識や能力は、マネジメントには欠かせません。

また、一言で「マネジメント」といっても、経営層と現場では求められるレベルに違いはありますが、すべての人に求められる力でもあります。漠然と働くだけではなく、経費意識から集客のための企画、山積している職場の問題を、解決するための能力が身に付けられることから、仕事そのものにかならず役立つはずです。

また検定を保有していれば「ホテルのマネジメントについて十分な知識や能力を持っている」と、客観的に認められるということでもあります。つまり就職や転職で有利になるだけではなく、保有しているだけでも仕事での評価につながる、というわけです。

ホテル・マネジメント技能検定は、国家検定であることから、信用度はとても高いといえるでしょう。

ホテル・マネジメント技能検定が新設された経緯

ホテル業界の慣例として、どうしても経験主義的な感覚が残ります。いくつものホテルを運営する大手企業では、少しずつ進んでいる組織やマネジメントの整備も、一般的なホテルではまだまだ良い状態だとはいえません。

「サービス」や「おもてなし」などが重視され、数値にできないものが基準にされており、合理的な運営がなされていないケースは多いのです。そんなホテル業界では、ここ数年の間で大きな変化を迎えています。

年間で3,000万人を超えるほどの外国人観光客が訪れる観光立国ですから、日本にはホテルは欠かせませんし、これからも注目される業界でもあるでしょう。それに国内旅行を目的とする、日本人のお客さまのニーズも変わらずに活況です。このようなたくさんのニーズに応え、お客さまに満足いただくためには、まずホテルが潤わなければなりません。

そしてそこに必要なのが、具体的な数字やデータで判断するための能力であり、それがホテル・マネジメント技能検定というわけです。宿泊産業に関わる人が、業界の発展のために、長い間待ち望んだ検定だといえます。

ホテル・マネジメント技能検定まとめ

2019年から新たにスタートした、ホテル業界注目のホテル・マネジメント技能検定。

今すでにホテル業界で働いている人だけではなく、これから業界を志したいと思っている人、それに業界全体にとっても素晴らしい検定です。今後はひとつの目標や基準になる、重要な国家検定だといえるのではないでしょうか。

まだスタートしたばかりの資格ですから、参考書や問題集が手に入りにくいなどいくつかの懸念はありますが、この業界で働く人ならぜひ取得しておきたいですよね。現場で働く人から管理者の人まで、ぜひ取得を目指してみてください。取得することだけではなく、勉強すること自体に価値があるはずです。


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