旅行会社などに行くと、「総合旅行業務取扱管理者」という文字を見たことはありませんか?
これ実は「(ここには)旅のエキスパートがいます」という意味。名前は聞いたことあるけれど、一体何をしている人なのでしょうか。
今回は、総合旅行業務取扱管理者をとるための方法から、どのようなことができるのかについてもご紹介します。
例えば旅行に関する契約に関する事務作業や、旅行の企画作成など旅行に関する重要な仕事のうち、管理側の仕事をすることができます。もう一つ似たものに国内旅行取扱管理者というものがありますが、同じように管理・監督の仕事ができます。
海外旅行を取り扱う旅行会社の営業所には、必ず一人以上の総合旅行業務取扱管理者を持った人が、いなければならないと定められています。将来、海外旅行に関する仕事に携わりたい人には、必須です。
総合旅行業務取扱管理者を持つ人の需要は高まっており、さまざまな場所で働けます。
以上のような業種が代表的でしょう。
中でも総合旅行業務取扱管理者として活躍できる職場は、なんといっても旅行会社です。
旅行業の会社では、営業所につき最低1人は旅行業務取扱管理者を選任しなければなりません。大規模な事業所では2名以上必要です。
そのため国内旅行と海外旅行の両方の業務を取り扱える管理者は、旅行業に関わる事業所の中でも、とても貴重なポジションといえます。
就職先の主な企業としては、鉄道会社・バス会社・航空会社・ツアーオペレーター会社などの関連・グループ企業となることが多いです。
昨今では旅行に関する需要の高まりもあり、旅行業務取扱管理者は企業として大切な人材のため、働く場所に困ることは少ないでしょう。
総合旅行業務取扱管理者の合格率の平均は以下の通りです。
全体 :20~30%
この数値だけを見ると、総合旅行業務取扱管理者の合格率は高いとはいえません。旅行業に深い知識を持つ管理者としての国家の認定ですから、それなりの合格率ですね。
総合旅行業務取扱管理者の取得難易度は「ふつう」だといえます。かんたんなものと比較するとやや難しく、難関なものと比較すると難易度はやさしく、平均的な難易度です。
ただし直近の合格率を見てみると、全体では過去から変わりませんが、全科目受験者の合格率だけに注目すると、過去の半分程度まで下がっています。そのためやや難化にある傾向で、しばらく全科目受験者の合格率はやや低いまま推移しそうです。
総合旅行業務取扱管理者の勉強時間は、諸説ありますが一般的には300時間程度といわれています。1日2時間の勉強で150日(約6ヶ月)程度、3時間の勉強で100日(約4ヶ月)と考えておくとよさそうですね。すぐに取れるものではなく、日商簿記2級や宅地建物取引士と同程度の勉強時間が必要です。
また総合旅行業務取扱管理者は、旅行業のプロフェッショナルであることを国家が認定するものです。そこを考慮すると、これくらいの勉強時間はどうしても必要になるといえそうですね。
この総合旅行業務取扱管理者は、海外旅行や海外での仕事ができるほどに、「旅全体のエキスパート」として認められるものです。実際にとるためには、
などについて勉強する必要があります。
国をまたいでの旅行になると、出入国審査などの手続きについての勉強が必要です。日本人が海外を出入国する際と、海外の方が日本を出入国する際には、実は手続きの内容も違うところがあるのです。それらの違いも含め、様々なシーンで必要となる仕事内容を覚えておかなければ、海外旅行を取り扱うことはできません。
例えば、国際航空運賃の計算方法など、自分でも計算方法を理解し、お客様にも説明できるレベルになるまで勉強します。海外での旅行となると、特に旅行者はツアーとはいえ不安がつきものです。
さらに試験では、語学力も問われます。一般的な英語ではなく、観光に特化した英語が必要とされます。
国内とは違い、海外旅行を取り扱う際には守らなければならないことや、世界各国でのルールがありトラブルがつきもの。これを回避するためには、様々な知識を身につけておかなければなりません。
このように、日本だけではなく、海外での旅行業務にも必要な様々なことができなければ、総合業務取扱管理者の取得は難しいでしょう。
総合旅行業務取扱管理者の試験は、基本的に規定で禁止を受けていない方であれば誰でも受験できます。つまり独学であっても、十分な学習さえできれば可能でしょう。
ただしすべてを独学だけで学習する場合は、かなり大変なのは間違いないと思います。総合旅行業務取扱管理者は、それなりの難易度のため合格率も高いとはいえません。
スムーズな合格のためには、できることなら専門学校で基礎をしっかりと勉強したうえでの受験がおすすめです。
専門学校で勉強できれば、どうしても理解できない箇所を、いつでも講師に質問できるうえに、非常に有効な受験対策もあるもの。取得のために、ぜひ専門学校で学んでみてください。
総合旅行業務取扱管理者には、更新制度はありません。そのため一度取得できれば、特別な問題がない限り有効です。一部では毎年有料かつ講習が伴う更新が必要であったりと、何かと不便ですが、国家の認定である総合旅行業務取扱管理者に更新がないのは助かりますね。更新のためだけに、お金と時間を取られるのは本当に不便です。
この「旅行業務取扱管理者」は、旅行業界唯一の国家による認定制度です。旅行会社の各営業所に設置義務があるため、旅行業界から非常にニーズの高いといえます。
もちろん就職活動をする上で、この総合旅行業務取扱管理者が有利にはたらくこともあるでしょう。旅行業界へ就職するなら、その人のキャラクターも重要ですが、こうして取得を目指して勉強していたこと、その努力と結果を評価してもらえるかもしれません。
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この記事を監修したのは
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京都ホテル観光ブライダル専門学校 旅行学科
経歴:旅行会社にてアウトセールス、添乗などの業務に5年間従事。ワタベウェディング㈱にてウエデイングプランナーとしてリゾートウエデイングの案内、手配など8年間勤務。
資格:総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者、クルーズコンサルタント
担当授業:インバウンド・ツアー研究、インバウンド・ツアー実務、よくわかるニュース解説など