バーテンダーと聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。テレビドラマに出てくるようなバーテンダーは、見ていても格好良くて、憧れの職業かもしれません。 ですが「じゃあ、バーテンダーって、実際にどのような仕事をしているか」は、意外と知らないものです。バーテンダーはただお酒を作るだけが仕事ではありません。 今回は「バーテンダーがどのような仕事なのか」「バーテンダーになるために必要なことは何か」などをお伝えします。
バーテンダーと言えば、「バーでお酒を作りながらお客様と会話する」といった漠然としたイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。一見、簡単な仕事のように思えるかもしれませんが、次のように奥が深い仕事です。
バーテンダーはお客さまを楽しませることが一番の仕事です。ただお酒を提供するだけではなく、来てくれたお客さまを楽しませて癒やすのが役目です。バーに来るお客さまは、ただお酒を飲みたい気持ち以外にも、様々なことを求めています。 その中には一人で飲みに来て、バーテンダーと話をすることを楽しみに来ている人もいます。普段人には言えない愚痴をこぼしたり、楽しい会話をしてバーテンダーと盛り上がりたい人や、ストレス発散したい人などもいます。 このように様々なことを求めてやってくるお客さまを「笑顔」で帰ってもらえるようにするのが、バーテンダーの務めです。そのためレストランでの接客スタッフや、ホテルのカウンタースタッフよりもお客さまとの距離は近くなります。 近い距離で接することができるからこそ、お客さまへの細かい配慮が必要になります。接客マナーは勿論のこと、「お客さまが何を求めているのか」「どのような空間づくりをすれば喜ぶのか」を考えて実行することが大切です。お客さまと一緒に自分も楽しめるような人が、お客さまからも好かれるバーテンダーになれます。
バーテンダーの一番の務めは、やはりなんといっても美味しいお酒を提供することです。美味しいお酒を提供するためには、お酒について詳しくなければなりません。バーテンダーの仕事はただメニューにあるお酒を作るだけではありません。 お客さまが求める味を提供することが一番の仕事です。時にはお酒のことが全くわからないお客さまから、「酸味の利いたお酒が飲みたい」、「甘いお酒が飲みたい」、「さっぱりしたお酒が飲みたい」とお酒の名前ではなく、味の雰囲気を伝えて注文されることもあります。 バーテンダーには、様々なお客さまのオーダーに答えて、お客さまが飲みたいお酒を提供することが求められます。お客さまが求めるお酒を作るというのは、簡単そうに見えてとても難しいことです。数千種類あるお酒について理解しておかなければなりませんし、どれをブレンドするのが一番お客さまが求めるものに合うかを知っておかなければなりません。 お酒のセレクトは勿論のこと、どのお酒をどれくらい強く入れるか、ベースはどれにするのかなど考えることは様々です。 勿論最初はメニューにあるお酒を作れるように経験を積みながら、オーダーを聞いたりお酒を提供したりして経験を積んでいきます。その中で徐々にお酒を作れる数が増えていき、オリジナルのお酒を作れるように少しずつスキルアップしていきます。 オリジナルのお酒をお客さまが好む形で作れれば、プロといえます。一番嬉しいのは「あなたのおすすめのお酒を作って」と言われるほどに信頼されることです。そこまでいけばあなたのお客さま、ファンができている状態です。 あなたが本当にお客さまに美味しいお酒を、良いものを提供したいと考えていれば自然とお客さまはできていきます。バーテンダーの一番のやりがいであり、バーテンダーをしていてよかったと思える瞬間ですね。
かっこいい、素敵といったイメージからバーテンダーを目指す方は多いのではないでしょうか。その際は、バーテンダーになるメリットもあわせてチェックしておくとよいでしょう。バーテンダーになることには、次のメリットがあります。
バーテンダーはお客様を楽しませるのが使命です。そのため、優れたコミュニケーション能力が求められます。会話の内容からお客様が楽しめる話題を予測し、話し方や目線などを工夫します。このようなコミュニケーション能力は、デスクワークや裏方の仕事では身に付かないでしょう。
コミュニケーション能力が高くなれば、プライベートにも良い影響を与えられる可能性があります。
バーテンダーは、お酒の知識はもちろんのこと、お客様を楽しませるために話題の引き出しをたくさん用意しておく必要があります。そのため、自然にさまざまな知識が身に付くでしょう。身に付いた知識は、自分の人生やプライベートにも役立つかもしれません。
さまざまなお客様と会話することで、多様な価値観を知れるでしょう。自分とは異なる意見を知ることで視野が広くなる可能性があります。また、世界の広さや深さを実感できて、物事をより深く考えられるようになるかもしれません。
バーテンダーは、いわば人間力を高めることができる職業です。その一方で、次のようなデメリットもあります。
バーテンダーの就業時間帯は就業先で異なりますが、夜間を中心としたバーで働く場合は生活が不規則になる可能性があります。夜勤が続いていて、急に日勤に変わるなどすると、体調を崩しやすくなるかもしれません。また、慣れるまでは身体の疲れがなかなか取れなかったり、気持ちが休まらなくなったりするでしょう。
お酒の知識やお客様との会話を楽しむための知識を身に付けるのに苦労する人は少なくありません。知識を得ることに喜びを感じるタイプの人であれば、苦労することはないでしょう。そのような意味では、知識欲がある人はバーテンダーに向いていると言えるかもしれません。
バーテンダーになるためには資格や特別なものは必要ありません。しかしバーテンダーになる上では欠かせない能力があります。
一番必要な能力は、お客さまを楽しませられる力です。様々なお客さまがバーテンダーと話すことを楽しみにしていることは先に述べた通りです。 そのために必要なのは、お客さまが愚痴をこぼしたい時に、ただ聞いてあげる力であったり、話しかけてきたお客さまの話を盛り上げてあげたりと、お客さまの状況に合わせて対応できるコミュニケーション力が必要になります。ただコミュニケーション力といっても、小手先のテクニックを身につければいいわけではありません。 単純に人と話すのが好き、人の話を聞くのが好き、色んな人と接するのが好き、これらが何よりも大切な能力です。人と接するのが好きでなければ、仕事だから関わっているという雰囲気が出てしまいます。何よりもそのような対応の仕方では、お客さまが求めているものに気づくことができません。 バーテンダーはお客さまを楽しませたり、お客さまが求める空間を演出することが求められます。それはただ楽しく話をしたり、たくさん話しかければいいものでもありません。 話しかけられたくない、一人でただ静かに飲みたい人に対して話しかけてしまっては、鬱陶しく感じられるだけです。他にもお客さまが話を聞いてほしいタイミングに、自分ばっかりが話してしまっては意味がありません。 バーテンダーに一番大切なコミュニケーション力は、「今お客様が何を求めているのかを理解し、それに合わせた対応をすること」です。美味しいお酒を提供することは勿論のこと、お客さまが心地よくお酒を飲める空間作りまでできて、一人前のバーテンダーといえます。
バーテンダーが作るお酒は、居酒屋においてあるような「カシスオレンジ」など定番なものだけではありません。お客さまにあったお酒も作れるようになる必要があると前述したように、様々なお酒を作れるようにならなければいけません。 そのためには数千種類あるお酒について、それぞれ理解するところから始めていきます。まずはどのようなお酒があるのか、それらがどのような味になるのかを知るところからです。そこを理解したら、次はお酒をブレンドしたらどのような味になるのかを試すところです。 一つひとつの味はわかっても、混ぜれば全く異なる味になります。意外な組み合わせもあったりと、これは実際にブレンドしながら覚えていかなければなりません。 お酒が好きでなければ、中々大変なものです。お酒好きであり、探究心のある人は楽しみながら知識を深めていくことができます。 お酒の知識をつけていけば、「このお酒とこのお酒を混ぜたらどうなるんだろう?」とわくわくした気持ちで行なうことができます。 京都ホテル観光ブライダル専門学校では「カクテル&スピリッツ」の授業でお酒の知識を勉強することができます。バーテンダーとしての知識や技術、TPOに合わせたカクテルの選び方も学ぶことができます。「バーテンダー演習」では、実際にカクテルを授業の中で作るのですが、作成する前にそれぞれのお酒についてを勉強し、カクテルのレシピを覚えていきます。 数千種類あるお酒を一人で覚えるのは大変ですが、授業で数回に分けて作りながら覚えていけるので身につくのが早くなります。
これは一番身につけなければならず、先天的には身についていないものです。お酒を作る、お酒とお酒を混ぜるといっても実は様々な技術があります。 ブレンドするお酒の量や、そのお酒をどのようにブレンドしていくかで味も変わってきます。それをその時の状況次第ではなく、意図的に行えるようになることもバーテンダーに大事な技術です。 カクテルにするためにブレンドする技術は、よく知るシェイカーを振って混ぜる方法や、「ステア」といってシェイカーのように大きく振らずに軽くかき混ぜる方法もあります。他にも氷と一緒にミキサーにかけて大胆に混ぜたり、グラスの中で直接混ぜ合わせるビルドという4つの技術があります。 これらの技術を習得することは勿論のこと、それぞれの技術の使い分けも知っておかなければなりません。なぜこのお酒はこの方法で作るのか?それぞれの技術の特徴を掴みながら、オリジナルのお酒を作る時にも迷わないように身につけておく必要があります。 カクテルを作る技術というのは、お酒の知識を深めることと同じくらいに奥深く楽しいものです。失敗をしながら経験を積んで覚えていくことで、美味しいお酒が作れた時の喜びが大きくなります。 京都ホテル観光ブライダル専門学校では「バーテンダー演習」の授業があり、カクテルをブレンドする4つの技術の意味をそれぞれ学び、実際にカクテルを作成して技術を自分のものにするために練習を重ねていきます。 他にもスタンダードなカクテルのレシピを学び、実際にカクテルを作成します。スタンダードの他にはTPOに合わせて「ホットカクテル」、「オールデイタイプ」、「アペリティフカクテル」とそれぞれのカクテルも実際に作ります。 その際にただ技術を身に着けながらカクテルを作るだけではありません。バーテンダーの所作も一緒に身に着けます。カクテルを作る時に大事なのは技術だけではなく、所作も大切になります。お客さまは味は勿論のこと、雰囲気でもお酒を味わいます。バーテンダーの動きが綺麗に見えたり、バーの雰囲気が心地よく感じられるのはバーテンダーが所作を意識しているからです。 京都ホテル観光ブライダル専門学校ではバーテンダーとなるための練習として、学内カクテルコンペティションを開催します。その場でスタンダードカクテルを作るためにスタンダードカクテルを完全な状態に仕上げます。人前に出しても恥ずかしくないカクテルを作れるように練習をすることで、就職にいきていきます。
バーテンダーは資格を取得していなくても就業できますが、資格を持つことで就職や転職に有利になったり、資格手当をもらえたりする場合があります。バーテンダーのメジャーな資格は、次の日本バーテンダー協会が主催している資格です。
一人前のバーテンダーとして必要な技術を有することを証明する資格です。酒に関する問題が出題されます。
日本バーテンダー協会に3年以上在籍していることに加え、7年以上の実務経験あり、バーテンダー呼称・技能検定を取得後2年が経過した満25歳以上の人が受験できます。フルーツ・カッティングやステア、シェークなどの基本技術の試験があります。
バーテンダーがどのような仕事か、何が必要かについてお伝えしてきました。一見するとバーテンダーになるのは難しくて、特別な人しかなれないような気がしたのではないでしょうか?ここからはバーテンダーになるための方法をお伝えします。
バーテンダーになるためには特別なスキルは必要ありません。強いていえば、人と接することとお酒が好きなことです。この2つがあり、意欲があればバーテンダーとして雇ってもらうことができます。勿論入ったその日からお酒が作れるということではありません。 最初はお酒を作る以外の仕事をしながら、先輩のお酒の作り方を見ながら覚えていきます。下積みの経験をしながら、お酒を作る練習をしていき、お酒の知識を深めていきます。飲食店のキッチンが未経験で雇ってもらえるのと同じです。 勿論それ以上に覚えることや、身につけることは多くなるために世界は全く違います。しかし難しそうだからといってやる前から気負いする必要はありません。卒業後すぐにバーやホテルのバーカウンターがあるところに就職するのもいいですね。
お酒の知識やカクテルの作り方や所作、接客をする上でのコミュニケーション力をしっかりと身につけるのならば専門学校に行くのがおすすめです。現場で学べるとはいえ、仕事をしながら覚えるのと、あらかじめ教える専門家に聞きながら練習をするのとでは全く違います。 専門学校では2年に渡って学ぶことができるので、しっかりと技術やバーテンダーとしての心構えを習得した状態で就職活動に望むことができます。 京都ホテル観光ブライダル専門学校ではお酒の知識だけではなく、教えるプロから実際にお酒作りを教えてもらうことができます。実際、現在ホテルのバーで働いている現役のバーテンダーが「バーテンダー」や「ソムリエ」の授業を担当しており、プロのお話を直接聞ける授業が盛りだくさんです。 また演習の授業では本物のカクテルを作れるので、在学中からカクテル作りを覚えることができます。 専門学校在学中にお酒の知識を身に着けておき、カクテルが作れるようになっていればバーテンダーとして就職した時からできることが広がります。自分の能力次第では、早くからお酒を作らせてもらえるかもしれません。 接客に関する資格を持っていれば、バーテンダーに欠かせない能力を持っている人として重宝されます。また、専門学校からであれば就職先も数ある中から選べるので、自分が働きたい場所で働ける確率が高くなります。 バーで働くのか、ホテルの中にあるバーで働くのか、どちらの方がいいのか京都ホテル観光ブライダル専門学校では会社の説明会をたくさん受けられるので、違いを知りながら納得した場所で働くことができますよ。 バーテンダーを目指せる!
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この記事を監修したのは ↓↓↓
京都ホテル観光ブライダル専門学校 ホテル学科
経歴:ホテルニューオータニ 料飲部門を中心に14年間勤務。都内ホテル専門学校教員として8年勤務。
資格:日本ホテル・レストランサービス技能協会1級技能士、日本ホテルバーメンズ協会シニアバーテンダー、FBO利酒師、 JFAAフードアナリスト3級、FCAJフードコーディネーター3級、BIAアシスタント・ブライダル・コーディネーター
その他:日本ホテル・レストランサービス技能協会 西日本エリア検定委員
担当授業:F&Bサービス演習、レストランサービス演習、レストランオペレーションなど