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ブライダルアテンダーになるには DATE:2021年5月5日 ブライダル

ブライダルには欠かせないお仕事の一つ、ブライダルアテンダーをご存知でしょうか。

実際のところ、ブライダルの世界には、さまざまな名称のお仕事があります。中でもこのブライダルアテンダーは、ブライダルのシーンで「アテンド=付き添う、世話をする」というお仕事です。

誰を、どのようにアテンドするお仕事なのでしょうか。

ブライダルアテンダーについて知る前に

まずは、言葉の意味から見ていきましょう。

「ブライダル」の語源について

ブライダルという言葉、現在の日本では広く、結婚式やその後の披露宴まで含め、何となく「結婚に関する式典」を表しているように思いませんか?でも、よく似た言葉として「ウエディング」もありますよね。

この2つの言葉、いずれも辞書で引くと「婚礼、結婚式」を表します。でも、使い方に違いがあるのです。

例えば、ブライダルエステ とは言いますが、ウエディングエステ とは言いませんよね。あるいは、ウエディングケーキ とは言いますが、ブライダルケーキ とは言いません。

この2つ、そもそも語源となる言葉が違います。

ブライダルの語源は、「bride=花嫁」ですが、ウエディングの語源は「wedd」。これは本来「保証、保証金」という言葉なのだそうです。古代の「結婚」には、保証金を用意するという習慣があり、そこから「wedd+ing」で、結婚するための儀式をウエディングと呼ぶようになりました。

一方のブライダルは、「bride」に「ale=エール=ビール」が付いた言葉です。ずっと昔のイギリスでは、ビールを作るのは女性の仕事だったため、「花嫁が(自分が作った)ビールを振る舞う集まり=結婚するための式典=結婚式」となったようです。

 

ブライズメイドのこと知ってますか?

では、ブライダルという言葉をもう少しもじった「ブライズメイド」という言葉をご存知でしょうか。ブライズメイドとは、来る結婚式に向け、さまざまな準備や挙式当日のサポーとを行う「介添人」のことをいい、実際には花嫁の友人たちが行っていたそうです。

中世の時代から始まった習慣のようですが、本来の役割は「悪魔払い」。悪魔が幸せそうな花嫁にとりつかないように、結婚後の生活が幸せに送れるようにと、花嫁の友人たちは花嫁と同じようにドレスアップして花嫁の傍にいることで、悪魔を混乱させるという役割があったといわれています。

日本でも最近になって、このブライズメイドの習慣を取り入れるカップルが増えているそうですが、なぜか海外ではよくあるスタイルのようです。海外では、手作りの結婚式を望むカップルが多く、また「ブライズメイドの数が多いほど、(花嫁の家の)ステイタスが高い」と考えられているため、花嫁は多くの友人を誘って、自らの結婚式の準備をするのです。

尚、ブライズメイドは花嫁の友人たちですが、結婚式の準備を手伝う花婿の友人たちもいます。彼らのことは「アッシャー」と呼び、バージンロードを用意したり、ブライズメイド達やゲストのエスコートをすることもあります。中でも花婿と一番仲が良く、アッシャーたちのリーダー的存在の人物を「ベストマン」と呼ぶそうです。何だか、格好いい呼び方ですよね。

 

ブライダルアテンダーの仕事とは

ところで、日本では昔から「介添人」という役割が、結婚式にはつきものでした。結婚式に参加されたことがある方は、花嫁が歩きやすいようにウエディングドレスの裾を軽く持ち上げたり、高砂へ上がるときに手を添えている人物を見たことがあるかもしれません。その人こそ「介添人」であり、ブライダルアテンダーなのです。

 

花嫁へのお手伝い

では、花嫁へのお手伝いの内容を見ていきましょう。

一つ目は、物理的なお手伝いです。前述のように、慣れないウエディングドレスを着た花嫁が歩きやすいよう、ドレスの裾を軽く持ち上げたり、高砂にあがる時に手を添えて転ばないようにエスコートしたり、座るときにヴェールの裾を踏まないように位置を整えたりします。

また、ゲストからは見えないところで歩いて着崩れてしまったドレスや着物を整える、座るときにそっと椅子を引く、メイク(口紅)が落ちないようにグラスにストローをさす、涙が出そうなときにハンカチを渡す、ということもあります。

尚、花嫁のドレスの裾を軽く持ち上げるのは、躓いてしまわないようにするという意味と、歩きやすいように重さを軽くするという意味があります。ウエディングドレスやブーケの中には、裾がとても長く、どうしても引きずって歩いてしまうようなデザインもあります。その場合は、床に引っかかってしまわないよう、なおかつ見栄えを損なわないよう、注意を払いながらお手伝いすることになります。

花嫁が和装の場合も同様に、歩く時に転ばないようにそっと手を差し出したりします。特に「文金高島田」と呼ばれる髪型は、かつらを使う花嫁も多いため、頭が重くなり、歩くときのバランスが悪くなります。白無垢も色打掛も、後ろ側の裾は長いですし、足元を見るのが難しくなります。慣れない衣装で一人歩くのは、とても大変ですから、ここでもブライダルアテンダーがこまごまとお手伝いをすることになります。

二つ目は、精神的なサポートです。結婚式って、どうしても花嫁は緊張します。でも、せっかくの主役なのですから、顔がこわばっていたり、緊張で立っていられないようでは台無しです。そこでブライダルアテンダーは、花嫁の緊張をほぐすよう、リラックスできるような雰囲気づくりをします。「肩の力を抜いて。にっこり笑ってみましょう」などと、声をかけることもあります。また、緊張のため挙式や披露宴の段どりを忘れていれば、そっと声をかけます。

花嫁にとって、とても心強い存在ですよね。

 

花婿へのお手伝い

花婿へのお手伝いも、おおよそは花嫁へのお手伝いと似ています。お二人の傍に寄り添いながら

  • ◆記念撮影の際、適切な位置へ花婿と花嫁をエスコートする
  • ◆出番を待つ間、リラックスできるように話かける
  • ◆進む(歩く)、席に座る、席を立つなどのタイミングを教える

などのこまごまとしたお世話をするのも、ブライダルアテンダーに求められることです。

また、花婿の場合は特に、友人たちからのお酌が続くこともあるでしょう。グラスの飲み物が一杯になり、飲み切れないような時はそっと捨てるというのも、お世話の一つなのです。

 

こうして、滞りなく結婚式や披露宴が進むよう、さりげなくお世話をするのが、ブライダルアテンダーのお仕事です。

 

ブライダルアテンダーに求められることとは?

究極のおもてなしができる人

花嫁と花婿にとっての結婚式や披露宴は、一生に一度の晴れ舞台のはず。これを滞りなく進めること、花嫁と花婿にとって「幸せな思い出」にできるようにお手伝いするのが、ブライダルアテンダー。そこにはやはり、究極の「おもてなしの心」を持つことが大切です。

結婚式や披露宴に関わるのは「人」ですから、どのようなハプニングが起こるか分かりません。花嫁がドレスを踏んで躓いてしまうとか、花婿が緊張しすぎて歩けなくなるといったことも、大きなハプニングにつながります。

そもそも、結婚式や披露宴の場で、緊張もせずにいつもと変わらずに行動できる人は少ないでしょう。また、結婚式も披露宴も、お二人の大事な人たちをゲストとして迎えていますし、普段とは違う『フォーマル』な場です。

このような場で、さまざまなハプニングに動じることなく、即座に対応できるスキルが必要です。フォーマルな場に不慣れな二人に、正しいマナーをさりげなく伝えることもも「(結婚式や披露宴を)成功させたい」という、花嫁と花婿の希望を叶えるということにつながります。

「おもてなしの心」とは、相手(この場合は、花嫁と花婿)のことを第一に考え、相手が必要とすること以上の気遣いができる心です。

そこには、さりげなさが必要ですし、心理的な負担を陰ながら支えたりするコミュニケーション能力も必要です。また、想定外のハプニングに即座に対応できる判断力や、臨機応変さも求められます。

「おもてなし」は、日常生活の中でも多々見られることではあります。しかし、結婚式や披露宴ともなれば、お二人にとって究極な状況ですから、誰にでもできる「おもてなし」ではなく、ブライダルアテンダーならではの「究極のおもてなし」が必要とされるのです。

 

活かせる資格について

ブライダルアテンダーになるために、必須の資格はありません。ただし、持っているとより良い資格はあります。

【ABC検定】

ブライダルに関するお仕事をする人が心得ておくべき、基礎的な実務知識を問う検定試験です。ブライダル業界で働きたいなら、ぜひ取っておきたい資格です。ブライダルのプロとして、持っておくべき実務的な知識などを、どれくらい身に付けているかを推し図るため、アシスタントのレベルから、ブライダル・コーディネーター(中級)、ブライダルマネージャー(上級)へと、ランクアップしていきます。

 

【マナー・プロトコール検定】

マナー・プロトコール検定は、国際的なルールやマナーに関わる、知識や技能のレベルを推し図るための民間資格です。ブライダル業界やホテル業界など、いわゆる「ホスピタリティ産業」に携わる仕事では、必須となる知識や技能、マナーやプロトコールを学ぶことで、取得できます。1級、準1級、2級、準2級、3級と5つのランクがありますが、上級は例えば、国際的な業種(国際線の客室乗務員など)が取得しているような資格です。ブライダル、ホテルなどに携わる人は、ぜひとも取得しておきたい資格といえます。

 

【サービス接遇実務検定】

いわゆる「サービス業」に従事する人は、ぜひとも取得しておきたい資格です。

接客応対、接遇サービスに関する知識や技術が、どのくらい身についているかを推し図るための検定試験です。接客などのサービス業務をする上で必要となる心構えや、話し方、立ち居振る舞いが審査されます。これらは、その場にいる人たちの人間関係を理解した上で、誰にどのように接するのが良いのかを、瞬時に判断する必要があります。レベルとしては、1級~3級までがあります。

 

【レストランサービス技能検定(HRS)】

これは文字通り、レストランにおけるサービスの技能があるかどうかを推し量る検定試験です。「サービス」に関する検定試験は、前述のサービス接遇実務検定などいくつかの種類がありますが、レストランサービス技能検定はその中でも、唯一の国家検定なのです。

レストランサービスとは、「料飲サービス(料理や飲み物を提供するサービス)」を提供するお店などで必要とされるサービスの一つです。職種としては、レストランのホールスタッフ、ソムリエ、バーテンダーなど、料飲サービスを提供する空間で、お客様と接する人たちすべてが含まれます。

これらの職種に就く人たちの、接客の仕方、立ち居振る舞い、ホテルのレストランでは必須となるテーブルマナーなどの作法が、どの程度身についているかを推し図る検定試験です。

 

サービスの質は満足度を左右する

冒頭でお伝えしたように、海外では「ブライズメイド」という、花嫁の友人たちによるブライダルアテンドが一般的かもしれません。しかし日本では、ブライダルアテンダーはプロが行うことが一般的です。

前出のような資格は、すべて「サービス」を提供するというお仕事で、必要とされる知識と技術を兼ね備えていないと取得できません。言い換えれば、これらの資格を取得しているということは、すなわち「(何らかの)サービスを提供するプロ」ということです。

「サービス」とは、その質によってお客様の満足度を左右する、とても大事なものです。目に見えない、形の無いものだからこそ、何をどう提供するのかが、分かりにくいものでもあります。

現在の日本では、ブライダルアテンダーが活躍する場所として、ホテルやブライダル専門施設があります。日常生活では、なかなか利用することのない施設かもしれませんが、だからこそ結婚式や披露宴という、とても大事なシーンでは、こうした施設を利用します。自分たちを祝福して下さるゲストの方々を、精一杯もてなしたいという気持ちの現れかもしれません。

つまり、そこで花嫁と花婿のお世話をするブライダルアテンダーは、主役のお二人以上に、ゲストをおもてなしする心が必要とされるのです。

京都ホテル観光ブライダル専門学校では、将来ブライダルアテンダーを目指す方に、サービスとは何か、おもてなしの心とは何かを学んで頂くことで、ブライダルアテンダーとしてのサービスを提供するプロを育成しています。

 

 

参考

京都ホテル観光ブライダル専門学校

ブライダルアテンダー

https://www.kyoto-carriere.ac.jp/dpt_bridal/job/attender.php

 

ウェディング・ブライダルの語源って?

https://onemovie.jp/blog/%E7%B5%90%E5%A9%9A%E5%BC%8F%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%82%81%E7%9F%A5%E8%AD%98/etymology/etymology-wedding-bridal/

 

花嫁の介添人・ブライズメイドはなぜ海外で流行しているの?

https://www.cocomelody.jp/mag/bridesmaiddresses/

 

ブライダルアテンダー

https://www.vantan.com/occupation/detail/22.php

 

結婚準備のリアル

結婚式で欠かせない介添え人の仕事とは?

https://real-kekkon.com/kaizoenin/

 

ブライダル業界のミライ

介添人(アテンダー)になるには

http://bridalfuture.com/hataraku/attender/

 

キャリアコンパス

結婚式の成功にはこの人の存在がある? 知られざる「ブライダルアテンダー」の仕事とは

https://doda.jp/careercompass/compassnews/20160519-22795.html

 

ウェディングプランナーガイド

介添人(向いている人など・・)

https://www.jhs.ac.jp/weddingplanner/works/supporter.php


ドレススタイリストのお仕事と魅力とは DATE:2021年4月23日 ブライダル

ウエディングに関するお仕事はたくさんありますが、中でも「ドレススタイリスト」というお仕事は、花嫁をもっとも美しく演出するお仕事です。結婚式や披露宴に直接関わることは少ないですが、花嫁や花婿の「ありがとう」に近いお仕事かもしれません。

今回は、そんなブライダルスタイリストのお仕事について、お伝えしていきます。

ドレススタイリストの仕事について知りたい

ドレススタイリストの具体的な仕事内容について見ていきましょう。

花嫁を輝かせる大切な仕事

女性にとって結婚式とは、一生に一度の大切な晴れ舞台です。そんな結婚式で、純白のウエディングドレスを着てみたい!と、小さい頃から夢見ている方も多いのではないかと思います。

実際の結婚式では、和装・洋装と挙式のスタイルに合わせて衣装を選ぶことになりますが、そのお手伝いをするのがドレススタイリストの主な仕事です。まずはお客様とのカウンセリングでご希望を伺い、それに沿ったドレスをご提案していきます。

ウエディングドレスとひとことで言っても、その種類はデザインや色、素材までさまざまなものがあります。同じデザインでも、素材や色を変えるとまったく違うドレスになりますから、その数は無限と言っても良いかもしれません。

その数あるドレスの中から、花嫁は「自分が一番輝くことができるウエディングドレス」を選ぶのですから、やはり衣装のプロとしてのドレススタイリストからの専門的なアドバイスは欠かすことができません。

ドレススタイリストは、お客様のご希望に配慮しながら、お客様を一番引き立てることができるドレスを提案することが求められますが、提案するのはドレスなどの衣装だけでなく、衣装に合うブーケ、ヘアメイク、アクセサリーまで、きめ細かくトータル的にアドバイスしていきます。ですので、プロのスタイリストとして、衣装からフラワー、カラーリングなど、ブライダルに関わる幅広い知識を身につけていることが必要です。

また、衣装などの提案以外にも、ドレスを美しく保つためのお手入れや、チェックなど商品管理の作業もドレススタリストにとって大切な仕事の一つです。さらに、ウエディングドレスはレンタルだけではなく、オーダーメイドで「作る」花嫁もいます。その場合は、「ドレスを自宅で長く保管する方法」について、お客様へ適確なアドバイスをすることになります。

以上の仕事内容から分かるように、花嫁が晴れの舞台で最も輝くことができるかどうかは、ドレススタイリストの腕にかかっているのですね。

 

衣装決定~手配まで

では、実際にウエディングドレスをアドバイスし、手配から当日までの流れをみていきましょう。

 

<カウンセリングからドレスの選定まで>

ウエディングドレスは、多くの場合、レンタル(貸衣装)となり、お客様はドレスショップを訪れます。基本的には「予約制」で、他のお客様とは重ならない、あるいはお客様ごとの担当者がしっかりと対応するようになっています。

最初にお客様とご挨拶をしたら、カウンセリングスタートです。お客様(多くの場合は、花嫁ご自身)に次のようなことを伺いながら、おおよそのドレスイメージを検討します。

  • ◆結婚式や披露宴の予定日
  • ◆挙式のスタイル
  • ◆結婚式や披露宴を行う会場
  • ◆レンタルをご希望か、購入(フルオーダー、セミオーダー)をご希望か
  • ◆普段の洋服のサイズ
  • ◆お色直しの有無や回数
  • ◆ウエディングドレスに対するご希望(色、デザインの方向性など)

多くの場合、上記7つのうち、6つ目までは、比較的すんなりとお話しが進みます。問題は7つ目、「ウエディングドレスに対するご希望」です。

最近は、インターネットや雑誌などで、ある程度の情報収集をされてからご来店頂く方が多いため、ある程度の「イメージ」はあるでしょう。「真っ白が良い」「フリルがたくさんあるのが良い」「シンプルなデザインでスタイルを強調したい」など、ご希望されるイメージは人それぞれです。まずは、お客様のイメージやご要望を伺い、それに近いものをご提案します。最初の1着がおおよそ決まれば、それに近いもの、少しデザインは違うがイメージは似ているものなどをご提案します。

しかし、お客様のイメージと、プロであるドレススタイリストの感性が違う場合、「お客様のイメージは伺いましたが、こちらのドレスもきっとお似合いになると思います」とさりげなく伝えながら、ドレススタイリストのオススメをご提案することもあります。

 

また、ドレスそのものに対するご希望が変わることもあります。最初はお客様がお色直しのドレスとして「薄いブルー」をご希望されても、例えば「濃い目のブルーと明る目のゴールドの2着にしたい」となるかもしれません。そこはやはり、お客様のご希望やイメージだけではなく、プロとしてのセンスで「お客様をもっとも美しくみせるドレス」を、ご提案していくことになります。

 

<初めての試着>

ある程度、ドレスが絞り込めたら、いよいよ試着です。しかし、ウエディングドレスは、必ずしも一人で着られるように出来ていないものもあります。ドレススタイリストは、試着(ウエディングドレスを着る)お手伝いもします。

また、予めお客様にはある程度「サイズ」を伺っておき、それに合うものを試着して頂きますが、必ずしもサイズがぴったりとは限りません。少しの補正が必要な場合がありますし、場合によっては補正下着などを使いながら、ぴったりする着こなしのお手伝いをします。

そして、忘れてはならないのが、写真。ドレスを試着に来るお客様は、ご自身でカメラを持参されることもありますが、持参されていない場合は、写真を撮ってお渡しすることもあります。ウエディングドレスの試着は、1着で済むとは限りません。複数のドレスを試着しながら、後で最終的にどれが良いかを、ご検討されることもあるからです。

また、補正が必要な場合は、どこをどれくらい補正するか、しっかりと記録しておきます。複数のドレスを試着した場合、ドレスごとに補正する箇所や内容が変わりますから、細かく記録しておく正確さが必要です。

 

<ブーケやアクセサリーの決定、見積>

ある程度、ドレスが絞り込めたら、「お見積り」を提示します。ドレスによって、レンタルの金額は変わりますし、保険料やクリーニング料を含めるかどうかも、お店やドレスによって違います。元々のお客様のご予算もありますし、必要事項が誰の目からも分かるよう、正確なお見積りを提示します。

また、ある程度ドレスが絞り込めたら、それに合わせたブーケ(ベール)や、アクセサリーも絞り込めるでしょう。ドレスのイメージ、お客様のイメージに合わせ、こちらもいくつかのパターンをお客様へご提案します。お見積りの中には、これらも含めて提示すると、全体的なご予算との検討もできます。

 

<ドレスの決定からご予約、手配まで>

最初の試着日から数日~数週間後、ドレスを決定する日をご予約頂き、再度ご来店頂きます。その間、数回の「試着日」があることがあります。

さて、お客様がお気に入りのドレス1着(またはお色直し用含めて2着~3着)が決まったら、今度はドレスの予約から当日までの手配です。お客様には再度、結婚式や披露宴の日時と場所を確認し、確実にお届けできるように手配します。

 

ドレススタイリストになるには?

勉強しておくべきことは?

ドレススタイリストになるためには、必須とされる資格はありません。ただし、少なくともこれだけは勉強しておいた方が良い、というものはあります。

 

<ブライダルの知識を有する証明となる「ブライダルコーディネート技能検定」>

ブライダルコーディネート技能検定は、職業能力開発促進法 第47条第1項の規定に基づき、厚生労働省より2018年7月23日に指定試験機関として指定された公益社団法人日本ブライダル文化振興協会が実施する国家検定です。

 

ブライダルコーディネーターとは

ブライダルコーディネーターとは、お客様のニーズを汲み取り、挙式・披露宴に関する文化・慣習等の担い手としてそれらを考慮しつつ、各種分業の壁を越えて幅広い関係者をコーディネートし、お客様に合ったブライダルサービス・商品等を提供する総合エキスパートです。

ブライダルコーディネーターに必要とされる能力は以下のとおりです。

・お客様のニーズを汲み取る「コミュニケーション能力」。
・お客様に合ったブライダルサービス・商品等を創造・企画する「プランニング能力」。
・お客様にプランをわかりやすく提案・説明し、承諾を得る「プレゼンテーション能力」。
・お客様の結婚式・披露宴を円滑に運営する「オペレーション能力」。

 

<トータル的なカラーコーディネートができる「色彩検定」>

色彩検定とは、「色彩に関する知識や技術」が問われる検定試験です。

ここでいう知識とは、例えば色彩が心理面に及ぼす影響、色彩が持つ不思議な力、それによって変わる「色の見え方」などをさします。人には誰でも、パーソナルカラーがあり、似合う色や似あう色の組み合わせが変わります。色が持つ力や影響について学び、試験で確認をすることで、カラーコーディネートの技能が身につきます。

ウエディングドレスは「白」と思われるかもしれませんが、実は「白」にもいくつかの種類があります。遠目には同じ色に見えても、ドレスの素材となる「布」が変わると、光の加減で少し変わって見えることもあります。

また、同じウエディングドレスでも、ブーケ(ベール)の色や、アクセサリーの色を変えると、まったく違う印象になることもあります。こうした「色」の影響力は、ドレススタイリストには必須の知識といえるでしょう。

 

<ドレスと合わせたジュエリーが提案できる「ジュエリーコーディネーター検定」>

ジュエリーにはジュエリーの専門家(ジュエリーコーディネーター)がいますが、ウエディングドレスをコーディネートするときに必要な知識を習得できる検定試験です。3級、2級、1級と3つのランクがありますが、まずは3級を目指しましょう。3級で必要とされる知識や技能はは「ジュエリーの歴史、市場、素材、製造、商品、販売及びコーディネートに関する基礎知識」と、お客様に対してそれを説明し、接客や販売(ウエディングの場合はレンタル)ができる技能です。

ウエディングに対するドレススタイリストは、ドレスだけではなく、一緒に花嫁を引き立てるジュエリーもご提案します。お客様のイメージも重要ですが、「このドレスにはこのジュエリー」というセンスも必要です。また、例えば同じデザインのティアラだとしても、お客様の年代や雰囲気によって、違う宝石を選ぶ方が似合うことがあります。必ずしもダイヤモンドが良いわけではなく、場合によっては同じティアラで真珠にしたり、金属部分をゴールドではなくプラチナをご提案するなど、ジュエリーの知識は必要なスキルといえます。

 

向いている人はどんな人?

いろいろな考え方はあるかもしれませんが、やはり「誰かのキレイを演出するのが好きな人」です。目の前にいるお客様のことを真剣に考え、「その人の一番」を見抜くセンスを持った人といえるでしょう。

お客様の好きなもの、ご希望されるものが、必ずしもその本人をもっとも美しく引き立てるものとは限りません。ご本人が寒色系が好きでも、実際には肌の色や表情、お客様の持つ雰囲気から、実は暖色系の方がお客様ご自身をもっとも引き立てる色かもしれません。

あるいは、お客様がふわっとしたデザインのドレスをイメージされていても、実際にはシンプルなデザインでスタイルを強調する方が、お客様をより引き立てるドレスとなるかもしれません。

もちろん、お客様のご希望は大切なのですが、プロとしてのセンスを知って頂くことが必要なこともあるのです。その為に必要なのが「その人の一番」を見抜くセンスと、「誰かのキレイを応援する」という心ではないでしょうか。

 

ドレススタイリストの魅力、やりがいとは

「感動」と「ありがとう」にあふれた仕事  

ドレススタイリストの仕事は、お客様の結婚式や披露宴に立ち会うとは限りません。ドレスの手配が終われば、そのお客様とのつながりは終ってしまうこともあります。

しかし、一生に一度の晴れの舞台で、本当にキレイな花嫁を演出できれば、お客様の感動を引き出すことができます。ウエディングの衣装は、ドレスだけではありません。花婿の衣装、ご親族の衣装も、トータルでご提案することもあります。ドレスが中心ではありますが、花婿とのバランスも重要なのです。

トータルで感動できる結婚式、披露宴を演出できれば、それはお客様からの「ありがとう」につながるでしょう。これが、ドレススタイリストのやりがいといえるのではないでしょうか。

 

キレイな衣装に囲まれて

それからもう一つ、ドレススタイリストに向いている人としては「キレイなものが好き」という要素もあります。ドレス自体はお客様のためにあるものですが、やはり、毎日キレイなドレスや衣装に囲まれているお仕事は、好きな人にとっては、これ以上無いほど居心地の良い職場ではないでしょうか。

さまざまなキレイな色、同じ白でもさまざまな表情を見せるドレス、豪華なレースやフリルに囲まれると、それだけでも幸せな気分になりますよね。

 

いかがでしょうか。

ドレススタイリストは、幸せにあふれた結婚式や披露宴を演出する、とても大事なお仕事です。キャリエールホテル旅行専門学校では、ドレススタイリストを目指す方へ、必要となる知識や技能を学んで頂く環境を整えています。今はまだ、ドレスのこと、カラーコーディネートのこと、ジュエリーのことが分からなくても大丈夫です。プロのドレススタイリストとして活躍中の講師陣が、あなたの夢を応援します。

 

参考サイト

 

キャリエールホテル旅行専門学校

https://www.kyoto-carriere.ac.jp/dpt_bridal/job/dress.php

 

 

ウエディングプランナーガイド

ドレスコーディネーター

https://www.jhs.ac.jp/weddingplanner/works/dresscoordinator.php

 

ナリカタ

http://www.narikata.com/bridal/wdc/howto/quality/

 

ジョブ―ル

ドレスコーディネーター

「仕事内容」

https://joboole.jp/articles/605869

 

「必要な勉強や資格」

https://joboole.jp/articles/890781

「向いている人」

https://joboole.jp/articles/211606

 

「やりがい」

https://joboole.jp/articles/872827